LNG供給量の減少と同時に見られた需要の高まりによって、ガスとLNGの価格は年間を通して不安定な状態が続きました。2021年10月には、これまでになくLNG貯蔵水準が低下したヨーロッパが、冬季に見込まれるガス需要に応えるためにLNGの確保に奮闘し、価格が記録的な高水準に達しました。

価格のボラティリティにより、価格の急騰を避けるためには、将来に向けて、安定的かつ柔軟なガスの供給を確保するための戦略的なアプローチが必要であることが浮き彫りになりました。2020年代半ばにはLNGの需給ギャップが顕在化すると予想されており、とりわけアジアにおけるLNG需要の増加に対応するためのさらなる投資の必要性に注目が集まっています。

シェルの統合ガス・再生可能エネルギー・ソリューション部門ディレクターのWael Sawanは、「昨年は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によってもたらされた困難から世界の国や地域が回復しようと努力するなかで、必要とされるエネルギーの供給におけるガスとLNGの重要性が明らかとなりました。様々な国が低炭素のエネルギーシステムを構築したり、炭素排出量実質ゼロの目標を追求しています。よりクリーンな性質を持つガスと、脱炭素に向けた取り組みが注目されることで、LNGは今後数十年間、高い信頼性と柔軟性を持ち合わせたエネルギー源であり続けるでしょう」と述べています。

予期せぬ供給停止により、供給可能なLNGの量が減少したにもかかわらず、2021年のLNG輸出量は増加しました。前年度比で2400万トンの増加となった米国が輸出の増加をけん引し、2022年には世界最大のLNG輸出国となることが見込まれています。

2021年、LNG需要の伸びは中国と韓国で最大でした。中国によるLNGの輸入は1200万トン増加して7900万トンとなり、日本を抜いて世界最大のLNG輸入国となりました。

中国は2021年に年間2000万トンを超える長期購入契約を締結していますが、これは主要セクターの電力供給を石炭からガスへ転換していく施策においてLNGの継続的な役割を示すものであり、また2060年にカーボン・ニュートラルを達成するという目標を後押しするものです。


全般的に見て、世界のLNG需要は2040年までに、2021年比で90%の増加となる年間7億トン以上となる見込みです。アジア地域では、この成長の大部分を享受することになると予想されています。国内のガス生産の減少、地域経済の成長、そして、LNGが炭素排出量の多いエネルギー源の代替となることで、大気汚染への懸念を軽減し、炭素排出量削減の進展に貢献することが要因です。

LNGは、再生可能エネルギーの利用を促進し、他のエネルギーの供給の不確実性に対するバックアップとしての役割を担っています。例えばブラジルでは、乾燥した天候が継続したことで水力発電の出力が低下、2021年にはLNGの輸入量を3倍の700万トン以上に増加させました。

天然ガスからの炭素排出量を削減し、よりクリーンな供給経路を構築する取り組みにより、こうしたLNGの役割は強化されるでしょう。2021年中、LNGバリューチェーンの脱炭素化に向けた機運が高まり、炭素排出に対処するための投資に関する発表がいくつか見られました。

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シェルの「LNG Outlook 2022」はこちらでご覧いただけます。