フェラーリのテストドライバーになってみたいと夢見たことはありませんか?フェラーリの聖地、イタリア・マラネロの生気みなぎる空気や、陽の光を満喫してみたいと、思いを馳せたことはありませんか?私たち取材班はラッキーでした!フェラーリが、私たちの希望を叶えてくれたのです。

世界599台のリミテッドエディション599GTO(グランツーリスモ・オモロガート)

マラネロの生産ラインから出てきたばかりのフェラーリ599GTOを試乗できる日が、ついに現実のものとなりました。そのコースは、エンツォ・フェラーリがその599の前身である250GTOと288GTOをテスト走行したコースと、まさに同じでした。

まず、私たちはこの素晴らしい、偉大なマシンを目の前にして、期待に心を震わせながら、キーを受け取りました。599GTOは、599XXレースカーを公道仕様に改良を加えたものであり、きわめて希少価値の高いもの。わずか599台しか生産されなかったこのGTOは、発表後、即全て予約済みに。そして、私たちが乗ろうとしているマシンはその、599台のうちの第1号車だったのです。

そのマシンの、シングルクラッチ、6段のトランスミッションは、アクセルとブレーキの操作に完璧に反応し、フロントに積んだ6.0リッターV12エンジンは661hpという恐るべき馬力を持ちながらも、子どもの学校への送り迎えにもまったく問題なく使える、公道仕様の想像を超えたクルマに仕上がっています。

スピード感あふれるサウンド

スピード感あふれるサウンド

マラネロを見渡す丘に出ると、この599GTOが、前モデルからどれだけ進化しているかをいよいよ試す時。599GTOは、599XXのプログラムを参考にしながら599GTB Fioranoをベースとしてパワーアップし、車体重量を軽く、アンダーステアを抑えながらダウンフォースを改善したものに仕上がっています。

カーブを抜けたところでアクセルを踏み込めば、モンスターのようなV12エンジンが唸り、マラネロの丘に強烈なエンジン音が響き渡ります。

エンジンの最大出力661hpに達するためには8,250rpmまで、ピークトルク(63.2kgf.m)を得るためには6,500rpmまで回転を上げなければなりません。右ペダルを踏み込むと、V12エンジンの軽快なレスポンスと共に重みのあるエグゾーストサウンドが響き渡ります。反応時間が60ミリ/秒という、完璧な高速トランスミッションでシフトをアップダウンすると、しっかりした操作音が聞こえてきます。

タイヤも暖まったところで、GTOは一挙にその本領を発揮します。バケットシートにしっかりと体を支えられ、加速を感じながらカーボンセラミックディスクとセラミックパッドのブレーキを踏み込めば、ドライバーも同乗者もフットレストと4点シートベルトの存在のありがたみを実感します。特別に開発されたミシュランのPilot Super Sportタイヤは、素晴らしいグリップでしっかりと路面を捉えてくれます。

トランクションコントロールオフで路面を感じる

トランクションコントロールオフで路面を感じる

トラクションコントロールをオフにし、シャーシに身を預けると、その車体が楽しさあふれるものだということをひしひしと感じます。599GTOがカーブを曲がり、軽くオーバーステアしながら目前の道路をしっかりとつかみ一気に加速するとき、シャーシの下で何が起きているのかを肌で感じとることができます。V12エンジンが吠えるような雄叫びをあげていったん落ちた回転を一挙に上げると、ハンドルに付いているLEDのギアシフトライトが狂ったように点滅して、ドライバーにギアのシフトを要求します。

ドライビングや天候条件に合わせて5種類の最適な設定が可能な走行モード選択スイッチ(Manettinoスイッチ)が装備されているため、常に強力なナビゲーターがいてくれるかのようです。

マラネロの地元の人々は、599GTOを見かけると誇らしげに手を上げて挨拶してくれます。そのなかには、もうほとんど見かけることのない、1962年から63年にかけてわずか36台しか生産されなかった250GTOを覚えているお年寄りや、ようやくリアウィンドウから外を眺めて手を振れるくらいになったばかりの子どもも。他のフェラーリとすれ違うとき、ドライバーの顔がサングラスに隠されていても、こちらをじっと見つめる視線を感じる。これこそが、世代を超え、世代をつなぐ、誰からも称賛を受けるに値するマシン・フェラーリなのです。GTOの名にふさわしい、最高の道路と至高のドライビング体験。

そろそろ彼らの愛する息子を帰さなければならない時間が近づいてきました。でも、もう少しだけ、ドライブを楽しむことにしましょう。

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