2007年、シェルはフェラーリモータースポーツ60周年を記念して、世界中で伝説となったTVCMを製作しました。取り上げるクルマを厳選し、クリエイターたちに、最も美しく映るよう、表現してもらったのです。

登場するクルマ

Ferrari 500(1952年)

フェラーリのチーフデザイナー、アウレリオ・ランプレディが設計。その美しくエレガントなTip 500エンジンは、偉大なアルベルト・アスカリが乗ることで恐るべき威力を発揮しました。2回のノンタイトル戦を除いて、1952年に出走したすべてのレースを制し、アスカリは52年から53年にかけて2年連続でドライバーズ・チャンピオンとなりました。

Ferrari 312(1967年)

V12エンジン搭載の312は1960年代後半、フェラーリF1黄金期の立役者となりました。マウロ・フォルギエリが設計したこの名車を駆ったドライバーとしては、クリス・エイモン、ロレンツォ・バンディーニ、ジャッキー・イクス、ジョン・サーティースの名前が燦然と輝いています。

Ferrari 312B(1970年)

重心をかなり下げたパワフルなフラット12エンジンを搭載した312B。その性能を極限まで引き出したジャッキー・イクス、クレイ・レガツォーニたちの活躍で、フェラーリはチャレンジャーのロータスを引き離し、1970年にはコンストラクターズ・チャンピオンシップを獲得しました。

Ferrari F300(1998年)

ロリー・バーンが設計したF300に乗ったミハエル・シューマッハは、1998年のシーズン中、マクラーレンのMP4/13を駆るミカ・ハッキネンと激戦を繰り広げました。この年、フェラーリとシューマッハは総合2位に留まりましたが、F300はフェラーリが翌シーズンから圧倒的な力を発揮する起爆剤となったのです。

Ferrari F2003GA(2003年)

最近亡くなったフィアットの元会長、ジャンニ・アニェッリのイニシャル(GA)にちなんで名づけられたF2003GAは、フェラーリにコンストラクターズ・タイトルをもたらしただけでなく、ミハエル・シューマッハが伝説のドライバー、フアン・マヌエル・ファンジオが46年間守った最多勝記録を抜く6回目のチャンピオンシップ・タイトルを獲得する原動力にもなりました。

クリエイターたちの言葉

  • ジャスパー・シェルバーン(クリエイティブ・ディレクター)
    このような仕事には、そう何度も出会えるものではありません。私たちは、「ドライビングってすばらしい!」と皆が感じるような2分間のフィルムを製作しなければなりませんでした。クルマ好きかどうかにかかわらず、視聴者を興奮させられる2分間を生み出すことを求められていたのです。私たちが表現したかったものは、撮影中に私たちの眼前をクルマが走り抜けていったときに感じた興奮でした。サウンドも本物、クルマも正真正銘の実物、撮影場所も実際の街路だったのです。
  • ディーン・ベーカー(プロデューサー)
    プロデューサーというものは、想像をかきたてられるようなプロジェクトを常に追い求めるものですが、今回のプロジェクトは私が手がけたなかで、もっともチャレンジングなフィルムのひとつでした。まずクルマを厳選して世界中に送り出す手配をし、世界でもっとも交通量の多い道路の何本かを閉鎖する手筈を整え、その道路を全速力で疾走するクルマを撮影しなければなりませんでした。自分の目でこのフィルムを見たとき、我々全員がこのプロジェクトに全力を投入していたのだと実感させられました。この作品の出来映えには心底誇らしさを感じています。
  • ロブ・ホール(ドライバー)
    仕事はきついものでしたが、撮影については、特別な思い出があります。それはすばらしい特権とも言える体験でした。「ニューヨークの街をフェラーリのF1カーでレースしたぜ」と言える人はほとんどいないと思います。私は興奮しながらクルマを走らせました。なにしろ、「嘘のない本物を使おう」、「コンピューターグラフィックには頼るまい」という監督の意思がひしひしと伝わってきたからです。
  • ビル・スメドレー(エディター)
    じつにすばらしい仕事でした。このような仕事に携われて本当に幸せでした。私たちが要求されていたのは、理屈抜きに親しみを覚えるような感情を呼び起こさせること、傍観者ではなく「参加している」という意識を視聴者にもたせることでした。このフィルムには、視聴者が感情移入し、撮影された画面と同化できるようなノーカットシーンが大量に含まれているのです。
  • フィ・キルロイ(ポストプロダクション・エディター)
    ご覧になっている映像は、撮影された映像そのものです。製作チームが総力を挙げてすばらしい仕事をしたため、私たちがしたことはほんのわずかでした。このように長期間にわたり、きめ細かく、地域的にも多岐にわたった製作作業としてはきわめて異例のことです。

こちらもご覧ください