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「Energy Security Scenario」を発表、世界がどのように変化し得るのかを探る

シェルは3月22日付で、「Energy Security Scenario」を新たに発表しました。今回発表された2つの新しいシナリオは、ロシアのウクライナ侵攻後に世界がどのように変化するかを探るものです。具体的には、安全保障を関心事の中心に据える世界がエネルギーと気候にもたらし得る結果について考察しています。

シェルのシナリオは、将来何が起こるか、あるいは何が起こり得るかについての予測や展望ではありません。シェルの戦略を述べているものでもなく、シェルの事業計画でもありません。シェルのシナリオは、意思決定する際の思考を拡げるためにシェルが使用している、多くのインプットの一つです。

1つ目のシナリオは「Archipelagos」と呼ばれ、現存する様々な圧力が今世紀末までどのように展開していくかに着目しています。国益が依然として鍵となり、再生可能エネルギーは主にエネルギー安全保障を改善する方法として捉えられます。2100年までに炭素排出量実質ゼロが視野に入っていますが、世界はパリ協定の目標を達成できていません。このシナリオは 「探索的」 であり、2022年に世界が置かれた状況からの道筋を描こうとするものです。

2つ目のシナリオは 「Sky 2050」 と呼ばれ、パリ協定の目標を達成するために世界がいかに迅速に取り組みを進めなければならないかを示しています。地球規模の気候変動に対する安全保障が最大の関心事になると示唆しています。各国はよりクリーンなエネルギーへの転換を競い、技術、鉱物、製造能力をめぐる競争が表面化します。競争は急速な変化を引き起こし、2050年には世界の炭素排出量は実質ゼロになります。このシナリオは、2050年までに炭素排出量を実質ゼロにし、2100年までに平均気温上昇を1.5℃未満に抑えるという目標を設定し、 2022年の現実まで遡って、終着点への到達方法を探るという「規範的」 かつ極めて挑戦的なものです。


「Energy Security Scenario」の要点は以下のとおりです。

  • 化石燃料は市場シェアを失う。エネルギーシステムの脱炭素化が進んでいるが、問題はその速度である。
  • 炭素排出量が瞬時に急激に減少する現実的な道筋はない。
  • 平均気温上昇は1.5℃を超える可能性が高い。
  • エネルギーの未来は電気であるが、水素とバイオエネルギーにも重要な役割がある。
  • 平均気温上昇を1.5°C以下に抑えるには、大規模な炭素の除去と貯蔵が必要である。


シェルのシナリオはデータに基づいており、モデルを使って構築され、関連分野の専門家による洞察が含まれています。最終的には、すべての読者にとって、シナリオはより良い意思決定を行うための一助となることを意図しています。シナリオは思考を深め、視野を広げ、仮説を探求するものです。

概要を含め、「Energy Security Scenario」はwww.shell.com/scenarios

 でご覧ください。

注意事項:

  • 「Sky 2050」シナリオは「規範的な」シナリオです。パリ協定の最も野心的な目標である、今世紀中に世界の平均気温上昇を産業革命前の水準から1.5℃に抑えるという目標を社会が達成していると仮定し、遡ってその実現方法を提示するものです。
  • シェルの「Archipelagos」シナリオは「探索的な」シナリオです。最終的な結果を仮定するのではなく、データに基づいたもっともらしい仮説を用いて、起こりうる将来を探求したものです。

※上記は日本語参考訳であり、英語表記の原文を正文といたします。原文のプレスリリースは下記リンクからご覧ください。

New Energy Security Scenarios explore how the world could evolve | Shell Global